崇福寺は一般的に「鯖大師」として知られています。鯖大師の由来は、弘法大師(空海)が四国を巡礼している際に、阿波国(徳島県)海部郡で馬の背中に塩鯖を積んだ馬子に出会ったという逸話に基づいています。
お大師様(弘法大師:空海)が、ある朝、通りかかった馬子(行商人)に積荷の塩鯖を譲って欲しいとお願いしましたが、馬子は粗暴な言葉でののしり断りました。しばらくすると荷を引いていた馬が急に苦しみだし、先ほどのお坊様がお大師様だったんだと馬子は気づき、鯖を持っておわびし、馬の病気が治るように頼みました。お大師様が御加持水(おこうずい:お水)を与えると、馬はすぐに元気になりました。さらにお大師様が鯖を海に投げ入れると、鯖は生き返って泳ぎ出しました。
そのことに感動した馬子は、その後、お大師様が鯖を手にした場所に大師の像を祀り、後に鯖大師本坊八坂寺となったと伝えられています。鯖大師は、3年間鯖を食べずに願い事をすると病気が治り、願いがかなうと信じられるようになりました。
崇福寺の鯖大師は、六世住職の伊藤善法亀和尚が大正時代に八坂寺から勧請したものです。かつては病気回復の祈願所でしたが、現在は漁師たちの信仰を集める大漁祈願の霊場となっています。鯖大師堂には、進水式を迎えた漁船の写真や絵馬が飾られてあります。また、境内地には相良町の篤心者が寄贈したもう一つの鯖大師像や十二支の守り本尊の石像、百度石なども祀られています。
毎年9月13日を縁日とし、御祈祷会を行っております。